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ADMER Version3.0をリリースしました。

ADMER Version2.6.0からメジャーアップデート版であるADMER Version3.0.0をリリースいたしました。

主な機能追加

ADMER Ver.3では,拡散計算機能に大きな変更がありました。

1.4時間値計算の実装

Ver.2.6までのADMERは,6つの時間帯でかつ1ヶ月平均の大気中濃度を計算可能でした。Ver.3からは,指定した日時(4時間値)の大気中濃度変化の計算が可能となりました。

2.詳細計算機能

これまでのADMERにおけるサブグリッド計算機能を整理し,操作を簡略化した機能です。

ADMER基本計算単位である5km×5kmグリッドを組み合わせた矩形の領域を,詳細計算範囲として事前登録しておきます。その後,計算ケース作成時に,その詳細計算範囲を指定するだけで,その範囲内がより詳細なグリッド(100m,500m,1km)に分割され,その詳細なグリッドについて大気中濃度等が計算されます。

Ver.2.6までは,このような計算を行う場合,詳細計算範囲用の排出量(サブグリッド排出量)などを別途作成する必要がありましたが,Ver.3.0からは,範囲を指定するだけで詳細なグリッドの計算が実行可能となりました。

3.新しい気象データ種別の導入と整理

4時間計算を実現するため,これまでになかった4時間毎の気象データが作成可能となっています。

気象データの種別は,長期間の期間平均値を計算するために使用する“気象データ(集計値)”と4時間毎の時間変化の計算に使用する“気象データ(集計値)”の2種類に整理されました。

また,気象データ作成手法を整理し,操作を簡略化しました。

4.排出シナリオの導入

これまでグリッド排出量データと呼称していた物質の排出情報を“排出シナリオ”に変更しました。これは,あるグリッドの排出量値の呼称と多数のグリッドの排出量をひとまとめにしたデータの区別をつけるためです。

5.排出シナリオの時間変化について

ADMER Ver.2.6まで,あるグリッドの排出量データは月毎,時間帯毎に設定することは可能でしたが,連続的に変化していくような排出量データは存在しませんでした。

ADMER Ver.3から,気象データ(4時間値)を取り扱えるようになり,4時間毎に変化していく大気中濃度の計算が可能となりました。これに対応し,4時間毎に変化していく排出シナリオが作成可能となりました。

6.各種処理の64bit化

気象データ作成機能,排出量データ作成機能,拡散計算機能が64bit化され,これまでよりも多くのメモリを使用して計算することが可能となりました。

特に拡散計算機能については,64bit化されたことにより,大きなメモリを搭載したPCでは,これまで不可能であった広範囲の詳細なグリッドの計算が可能となりました。

7.計算結果解析の拡充

4時間計算を行った計算ケースでは,これまで存在したヒストグラム表示,数値表示に加えて,あるグリッドの大気中濃度等の時間変化を把握できる時系列グラフ表示が追加されました。

また,分布図表示においても,4時間毎の分布図表示が可能となりました。

8.CSV出力機能の拡充

出力対象地点または範囲を,地図上で選択できるようになりました。

また,登録した地点から一定距離離れたグリッドを出力対象にすることができるようになるなど出力地点の選択方法が拡充されました。

9.ソースレセプターマトリックス解析の実装

複数の排出シナリオを用いて計算する場合,あるグリッドの大気中濃度は,複数の排出シナリオからの寄与が含まれます。ソースレセプターマトリック解析を行うと,各グリッドの大気中濃度に対する排出シナリオ毎の寄与度を解析することが可能となります。

ただし,ソースレセプターマトリックス解析は,計算負荷が高くなり,計算に必要なメモリ量が増大するため,計算範囲の大きさやPC環境によっては実行できない場合があります。

 

機能の廃止

1.気象データ作成手法の整理

気象官署(舘野)の放射収支量を用いて安定度を計算する気象データ作成は廃止されました。

2.計算結果解析機能の整理

縦軸に登録指標データを用いたヒストグラム表示は廃止されました。指標データを用いた解析を実施する場合,計算結果のCSV出力機能で出力した計算結果を用いて,Excel等で実施してください。

 

注意事項

ADMER Ver.3では,気象データ,発生量データ,計算結果など,様々なデータのフォーマットが更新されており,基本的に,以前のバージョンとのデータ互換性はありません。

このため,プロジェクトディレクトリの変更で,以前のバージョンのプロジェクトディレクトリを指定しないようにしてください。ADMER Ver.3の動作が不安定になり,以前の計算結果がおかしくなる可能性があります。

また,ADMER Ver.3のプロジェクトディレクトリを,以前のADMERで指定することも行わないようにしてください。